【感想】『QP』石田小鳥の生き様に震える！高橋ヒロシ原作の不良漫画

高橋ヒロシが描く、最もリアルな不良漫画の世界

『クローズ』や『WORST』といった人気作品で知られる漫画家・高橋ヒロシ先生が手掛けた『QP（キューピー）』は、不良漫画ファンにとって特別な一作です。他の作品と比べても、よりハードでリアルな世界観**が特徴。単なる喧嘩の強さだけでなく、裏社会の闇や人間の脆さ、そして複雑な人間関係を深く掘り下げて描いています。少年院を出たばかりの主人公・石田小鳥（通称：キューピー）が、自らの生きる道を見つけるために、厳しい現実に立ち向かっていく姿は、読者に強烈な印象を与えます。

主要キャラクターが織りなす「不良の美学」

物語の中心となるのは、個性的で魅力的なキャラクターたちです。

石田小鳥（いしだことり）：主人公。圧倒的な喧嘩の強さを誇りながらも、仲間を大切にする純粋さを持つカリスマ的存在です。しかし、その不器用さゆえに裏社会や暴力に翻弄され、過酷な運命に巻き込まれていきます。彼の生き様は、まさに「不良の美学」を体現しており、その葛藤や成長が物語の大きな見どころです。
吾妻涼（あずまりょう）：小鳥と並ぶ重要キャラクター。冷静沈着で頭脳派、そしてカリスマ性を持つ彼は、小鳥とは対照的な存在として描かれます。理性的な面が際立つ一方で、内面には孤独や葛藤を抱えており、物語に深い陰影を与えています。小鳥と吾妻の関係性は、単なるライバルや仲間を超えた、複雑で強い絆で結ばれており、作品の大きな魅力の一つとなっています。

なぜ『QP』は多くの人を惹きつけるのか？

『QP』が多くの読者を惹きつけてやまない理由は、そのリアリティと緊張感にあります。華々しい喧嘩描写だけでなく、友情、裏切り、暴力、そして生きることの儚さといった、人間の本質的なドラマが凝縮されているからです。高橋ヒロシ先生ならではの、深く濃い人間模様は、不良漫画ファンだけでなく、普遍的な人間ドラマを求める読者にも深く刺さります。