【感想】「MAJOR」野球に人生を捧げた茂野吾郎の壮絶な物語

「MAJOR（メジャー）」は、満田拓也先生による野球漫画の金字塔です。1994年から2010年まで連載され、全78巻という長期にわたり多くの読者を魅了しました。主人公・茂野吾郎が幼少期からプロ野球選手、そしてメジャーリーグ挑戦に至るまで、彼の人生そのものを野球を通して描いています。

あらすじ

物語は、吾郎の幼少期から始まります。プロ野球選手の父・本田茂治を亡くし、孤独と悲しみを背負いながらも、野球に全てを懸けて成長していく吾郎。リトルリーグ、中学、高校、社会人、そしてプロへと、野球のステージを駆け上がっていきます。
吾郎の最大の魅力は、その決して折れない心と挑戦心。肩の故障や挫折、仲間との衝突など、数々の困難を乗り越えながら「野球が好きだ」という情熱だけを胸に走り続ける姿は、多くの読者を熱くさせました。

野球漫画としての魅力

「MAJOR」は単なるスポーツ漫画ではなく、人生ドラマでもあります。
・吾郎とライバルたちの熱い勝負
・仲間との友情と絆
・怪我やスランプとの戦い
・野球に人生を懸ける者たちの光と影

これらがリアルに描かれており、野球を知らない人でも胸を打たれる展開が数多くあります。特に、吾郎がメジャー挑戦のために単身アメリカへ渡り、言葉の壁や文化の違いを乗り越えながら挑む姿は、スポーツを超えた「夢を追う人間の物語」として多くの共感を集めました。私にとって忘れられないのは、やはり序盤の「おとさん」とのお話ですね。

あだち充作品との違い

「タッチ」や「H2」など、あだち充先生の野球漫画は恋愛や青春の爽やかさが魅力ですが、「MAJOR」はその真逆。より泥臭く、現実的で、挫折と苦しみを描いた作品です。どちらも野球を軸にしていますが、「MAJOR」はとにかく吾郎の生き様を通して野球の厳しさと夢の尊さを教えてくれる作品と言えるでしょう。